1930年代以降、アイソタイプの影響は図記号を用いた図像統計というかたちで世界のあちこちで見られたが、イゾスタットという独自の機関が設立されたソビエトを除くとその中心はアメリカであったといってよい。そしてこの動向の牽引役となったのはルドルフ・モドレイであった。モドレイの活動については、これまで複数の研究者によって研究が進み、その全体像がかなり分かってきており、順次紹介していく予定である。

ここでは彼以外でこれまで紹介されたことのないグループについて簡単に記述しておく。そのための資料となるのが、1937年にモドレイが書いた『How to use pictorial statistics』で、彼は主立った4つの集団を挙げている。そのうちでもっとも知られていないが、重要と思われる組織について紹介する。連邦政府のニューディールにもとづいてエージェントのひとつとして設立された連邦緊急救済局(Federal Emergency Relief —Administration: FERA)内の部門である「グラフィックユニットセクション」のグループである。

(続く)